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BLUE         2000.12.08    







                         か げ
                 目の前に見えた幻影
.
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                 白銀世界の最高峰 
                 各地で採集した碧を 
                 ありとあらゆる碧を仕分け 
                 調査して保存する 
                 
                 忘れてしまわないよう 
                 摩天楼の頂点に仕舞い込む 
                 
                 間延びした挨拶口上 
                 例え耳に入っても 
                 脳まで届かない雑音 
                 麻痺した感覚 
                 
                 碧へと近付く地下道 
                 下りだけの螺旋階段 
                 両手には溢れんばかりの 
                 澄み渡った碧の欠片 
                 
                 瞳の中の自分が笑う 
                 碧瞳のなかに 
                 自分の姿を見る 
                 途端、浮び上がる疑惑 
                 
                 目の前に見えた幻影 
                 誰のものでも無く 
                 鏡の正面に直立した自分 
                 碧い影を落とす 
                 
                 







        か げ                   
目の前に消えた陽炎                   
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..
不安定な足場                  
立っているだけで                  
足は竦み 手は痺れ                  
意識さえも釈然とせず                  
空寝を決め込む                  
                  
憧れた素封家の人々                  
しかし彼らもまた                  
碧を手に入れられず                  
名と実とが失墜していく                  
                  
低空飛行で行くように                  
すれすれを渡る橋                  
既成事実を自嘲して                  
徒労に終わった努力を嘆く                  
                  
透き通った向こう側にも碧                  
                  
目の前に現れた陽炎                  
同じ名を持つ昆虫の                  
儚さを愁いてやまない                  
揺らぐ視界は涙のせいか                  
                  
賢者の指にはめられた                  
碧く輝く石                  
忠実に再現された厳粛                  
双肩に生えた真白き翼                  
                  
早暁、西に向けて直立                  
朝焼けを背に                  
真白き翼の誇張                  
何処までも続く碧を待つ                  
                  
目の前に消えた陽炎                  
捕らえることは叶わず                  
継承もままならぬ契印                  
美しきが仇となるは碧                  























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