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BLUE         2000.08.22    







                 こんなに碧い海は
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風が立つ 
                 波が立つ 
                 海鳥にせかされて 
                 泡が流れゆく 
                 
                 人間の起源は其処にある 
                 たゆたう水の 真の底 
                 決して見えない形をして 
                 決して来れない客を呼ぶ 
                 
                 幾億回もの朝晩をかけて 
                 誰がために 
                 その碧を保つ 
                 
                 古えの森を抱える碧 
                 初源から在り続く碧 
                 全ての生命に自らを捧ぐ碧 
                 やがて皆が還る碧 
                 
                 感覚を捨て切れず 
                 重さに束縛された状態で 
                 如何しても自由になりたくば 
                 碧に溶け込み 海になれ 
                 
                 風が立つ 
                 雲が立つ 
                 夕立ちに打たれる前に 
                 この空を越えよう 









こんなに蒼い空は                 
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風が立つ                  
雲が立つ                  
駱駝にせかされて                  
塵が舞いあがる                  
                  
この雑踏を抜ければ                  
そこに安らぎが待つ                  
                  
早駆けする鼓動と                  
止まらない四肢とが                  
互いに共鳴する                  
砂埃を起こす                  
                  
風の中に視認えた蒼                  
                  
空の広さを知ることのない                  
決して知ることのできない                  
鳥たちが飛び交う                  
あのロックでさえ                  
この蒼空は支配できなかった                  
                  
照りつける陽の中を游ぐ                  
蒼の下に駆け抜ける                  
                  
風が立つ                  
波が立つ                  
砂嵐の来る前に                  
この海を越えよう                  

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