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マクロ的観点から見たGW

<論理展開の方法>

以下では、番組内部に登場する出来事をそれぞれ問題提起をした上で解明するという方式 を取りたいと思います。なお、書き忘れましたが以下で扱う内容は、すでにGWをご覧に なった方が対象です。まだご覧になってない方は、各検索エンジンや本HPのリンクから 他の方のGWサイトへ 行かれて、あらかじめ予備知識を増やすことをお勧めします。


<1・地球は何故オペレーションメテオを阻止できなかったか?>

オペレーションメテオが本来コロニー落としだったことは周知の事実である。だが、旧連合や OZはこれを察知していた。それにも関わらずその対応は不充分きわまるものだった。 これはいったい何故だろうか?
まずネガティヴな観点からは、 旧連合がコロニーの技術力を過小評価していたことが考えられる。少なくとも連合が 制圧して以降のコロニーにおいては、技術はすべて軍需用であったはずであるし、これが民需転換 されている可能性は皆無であろう。AC175年のヒイロ・ユイ暗殺以降、連合に対するテロが多く 起こったことも記録されており、叛乱勢力が軍事力を備えることは連合にとって絶対回避しなけ ればならない問題であったからである。そしてコロニー間の行き来が連合によって制限されていたし、 第1話においてもコロニー間の連帯阻止に関する議論が行われていることからも明らかであろう。 MS開発においてはOZがすべてに先んじているという自負がこの結果を招いた可能性 もある。そして戦術兵器としてのMSに対する主観的評価もこれを後押ししたかもしれない。つまり、 戦術兵器としては多大な価値があるものの、生産コストの問題があり、さらにはOZ将校への偏見 が多くあったのであろう。これは貴族への偏見と若年者に対する偏見である。コロニーの技術力への 過小評価と、連合、OZの自己陶酔がこの結果を招いた可能性はあるが、連合の認識不足がここでは 問題であろう。
次に、ポジティヴな観点から考えてみる。連合とOZは阻止できなかったのではなく、 あえて黙認したのではないかという考えがここで浮かぶ。連合が得る利益は一体何であろうか? まずは政治的に、コロニー攻撃の格好の口実と大義名分が 得られるのが大きな利点の一つである。ただ、ストーリーを見るとこれを利用しようとする姿勢は まったく伺えない。選択肢としては可能であったが、報復テロを恐れて現実化しなかったと考えるのが 妥当であろう。
経済的にはどうであろうか。為替や通貨の問題は別として、経済利益があるのかどうか考えたい。 まず天然資源は地球がほぼ独占しているといっても過言ではない。コロニーにおいて自給自足できる のは食糧くらいであろう。この作戦でコロニー側に経済的利益があるとは思えない。むしろ、これに よって自分の首をしめることになり兼ねない。双方にとって利益があるとすれば、軍事力の消費に よる貨幣流通機構の活発化と軍需資本の一極集中であろう。これによって軍需産業への 人力集中・資本集中が 実現し、経済活動が活発になることが考えられる。食糧自体の自給率はコロニー、地球とも十分で あるから戦時統制経済へ移行する必要性がない。軍事禁制品は存在するだろうが、宇宙軍の監視が ある以上は事実上存在していないに等しいであろう。このような経済活動によって得られた利益が どこに行くのかは一般にはその国の民主主義の度合いに依存するが、地球圏統一連合においては、 圧倒的な軍事力の威嚇による秩序維持と各国統治であるから、政府高官、とりわけ高級軍人に集中 すると一見思われる。だが、一つ考えたいのは、もともと存在していた資本が誰によって投下された かである。連合が牛耳る世界において固有の財力を保有できるのは、少なくともこの世界においては 一握りの貴族か技術力を獲得した商人である。貴族と言えばロームフェラ財団が思い浮かぶし、 技術力で財を成したといえばウィナー家(ウィナー家は資源衛星の開発で 富を得た為、ここでは除外する)やバートン財団も思い浮かぶ。 かつてバートン財団が連合に取り入っていたことは有名であるし、ロームフェラ財団がOZの 経済基盤になっていたことも事実である。彼らが投下した資本が、多くの利益を自らにもたらすことが 一番大きいだろう。そして余剰資本は再び軍需産業へと投資できる。
このように考えると、経済的利益を主眼として、連合の認識不足を利用して OZがオペレーションメテオを黙認したと考えるのが妥当であろう。
具体的なデータがないため数値化はできないが、その額は莫大なものであっただろうと推測される。

(文責:くぅるみんと)




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はじめに

1.メテオ計画の阻止

2.孤高の革命家