新 し き 歌



新しい歌を待っていたんだ
世界がきれいなうちに歩こうとした

両側に広がっていく
波打つ水面 映り込んだ空の

青く 静かな鼓動を選んでいる



新しい一歩さえ踏み出せずに
手繰り寄せられる限りの嘘を 精一杯抱きしめる
この手のひらに触れるもの
すべて偽りだとしても
世界はいつかきれいなまま歩き出す


流れはじめる理由を選んでいる

両側に広がっていく
波打つ水面 映り込んだ空の

青く 静かな温度を選んでいる



この手のひらに触れるもの
この命の許す限り 精一杯抱きしめる
たとえそれが痛みを伴っても
いつか誰かに選ばれ消えても
鳴り止まない雨が水面を遊び
流れはじめた

世界は新しい歌を待っててくれた














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