夢を見ていた。.
やわらかい揺りかごの中で眠り続ける夢を。.
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聖歌が聞こえる.
誰が歌っているのか、透き通るような声.
ガラスのような脆さを感じて手を伸ばせば.
それは簡単に砕けてしまう.
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輝く幾千もの小鳥が、天へと昇っていく.
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美しい黒い輝きを持つ髪が揺れた。その下に瞬くは海の底のような紺の瞳。.
初めて覚えた独占欲。.
手放したくないと、心が叫ぶ。.
くすんだ金髪を束ねた女性が歩いていくのが見える。.
待って、と呼び掛けても戻ってはこない。.
一度だけ振り返り、その人の翡翠の瞳が言う。.
幸せになれ、と。.
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壊れやすいガラスの美しさを.
何故ヒトは望むのだろう.
触れれば砕けてしまうもろい安らぎを.
何故ヒトは守れないのだろう.
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輝く幾千もの小鳥が、天へと昇っていく.
その先にあるのは楽園か、自失か.
それとも何もないのか、終わった後には.
光を求めるのは生きている者だけに許されるのか.
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輝く幾千もの小鳥が、天へと昇っていく.
蒼窮に広がる自由な想いを求めて.
ここにはない、全ての終わりを目指し羽ばたく.
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翼なき者に許されるのは.
影落とす両の足でしかと大地を踏み締め歩くこと.
前へと .
>>> das Ende...